2012年01月01日

【イヤホンの可能性】

あけましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願いいたします。


年末年始はテールスープと鶏粥を炊くのが恒例になっている 白髪犬 です。

さて、2012年最初の話題は、イヤホンの可能性ということで、ネタ自体は昨年の12月から温めていたものです。

ある日、ASCに来られたお客様と話をしていて、ふとイヤホン・ヘッドホンの話題になった時に、お客様が『実はイヤホンを自作してまして・・・』と取り出されたのが下の写真のイヤホンです。
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今回はこのイヤホンを製作された方とのお話を中心に、紹介させていただきたいと思います。

まず、見た目の綺麗さに驚き、このままどこかの商品と紹介されても納得してしまうような完成度です。
さらにその音を聴き、2度驚かされました。クリアさと鮮度感があり、刺さる手前ギリギリのラインの高域、低域は押出の空気感を感じながらもボワつかず締まっており、高次元でバランスのとれた鳴り方をしていると感じました。

その後も製作者の方に何度もお会いし、製作にまつわる工夫やアイデア、モノ創りへのこだわり等を聞かせて頂きました。
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(製作途中画像)

私が聴かせてもらったイヤホンは、リファレンスモデルでバランスド・アーマチュア(以下 BA)型ユニット2基(高域・中域)、ダイナミック型ユニット1基(低域)の3ドライバ3way、BAとダイナミックのハイブリッド構成のイヤホンでした。

その後、ごく実験的な試作機で、ダイナミックのドライバをスピーカのアイソバリック方式の手法を取り入れた配置とし、BA2基、ダイナミック2基の4ドライバ、3way というイヤホンも作られたりしておられます。

イヤホンのケースにはジュラルミンが使われており、ユニット周りのパーツは真鍮、ノズルにはステンレス、とそれぞれに応じて素材を変えて、ひとつひとつ手作業の削り出しで製作されています。
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(部品の一部)

これらのパーツ全てに気を使って作られている訳ですが、ダイナミックドライバを使ったハイブリッド仕様にしたことで、空気の流れを整えることが重要で、ノズル・音道部分の部品で音が大きく変わるとの事。

様々に試行錯誤された結果、ノズル内部はサンドブラスト処理を施し、現在最終バージョンのノズルには出口部分に螺旋状の歯車のようなチップが取り付けられています。
IMGP6411_.JPG

IMGP6417_.JPG

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これらの改良の度、低域の曖昧さ、他の帯域へのカブリというか濁りが無くなり、質の向上が感じられました。
(残念なことに、最後の螺旋状のパーツは製作が非常に困難な為、これから先、作る予定は無いとの事)

これだけユニバーサル型のイヤホンで試行錯誤されているなかで、カスタムイヤホンの事も気になったのでお聞きすると、以前に作っていました・・・と、見せて頂いたサンプルが下の写真です。
IMGP0855_.JPG

これは、型から抜いただけで、まだ研磨していない段階のモノ。
未研磨とは言え、この状態でかなりの透明度で気泡は全く見られず、更に質問すると・・・メガネのレンズに用いるような樹脂素材を使っているとのことで、取り扱いも非常にシビアなようです。

製作者の方曰く、カスタムイヤホンよりも金属ケースを使ったユニバーサルイヤホンの方が、音的に追い込む自由度が高く、最終的に今の形になったという事です。

最後に作られているイヤホンの性格や、まとめ的なことを書かせて頂きます。

製作者の方とお話させていただく中で、このイヤホンについて一致して出てきた感想の中に『シビア』という言葉がありました。
シビアというのは、イヤホンの設計自体がシビアでタイトと言う事でもあり、音のバランスも非常にシビアな環境の上に成り立っていると言う事でもあります。

自作されているイヤホンはコンプライのTX500シリーズのチップを標準に音のチューニングがされているのですが、試しに耳垢フィルターのないシリコンチップで試聴してみたところ、音の印象が変わってしまいました。
SN3J0147.jpg
(製作途中画像)
SN3J0139.jpg
(製作途中画像)

ケースやハウジングに開ける穴ひとつとっても、その大きさが肉眼では調整できないくらいの幅で違っても音が変わるとおっしゃっていました。

市販のイヤホンに比べ、自作イヤホンの存在価値はこのシビアさ、音の追い込みであると同時に、安定して同じ音を出せないというマイナス面もある諸刃の剣です。
それゆえに製作者の方の思い入れも並々ならぬものがあり、いい加減なモノは作りたくない、との気持ちも強く持っておられます。

これまでにも私以外に数名、こちらのイヤホンを聴いて頂いた方がいらっしゃるのですが、その中でも 作って欲しい、譲って欲しい と言う声が聞かれました。
しかし、上記の手づくりゆえの理由(又、手作業による物理的量産不可能)でなかなか難しい状況でした。

ですが、依然、手に入れたいとの声が多く、製作者の方とお話しした結果、ご自身で品質管理出来る範囲のごく少数ロットの受注生産という形で・・・製作のお話が進んでいます。
詳細はまだ不明ですが、予価は70000円前後となる見込みです。(ドライバ等は現行のモノですが、使用されるパーツは基本すべてワンオフの手作りになります)
詳しい内容が決まり次第、ブログ・ツイッターを通しまして発表させていただきたいと思います。


製作者の方のご好意で本イヤホンの試作機を貸して頂いておりますので、ASCまで来て頂ければ聴いてもらう事が可能です。
試聴ご希望の方は事前にツイッター等で白髪犬までご連絡頂きますようお願いいたします。

なお、今回の自作イヤホンにつきましては、 白髪犬とイヤホン製作者様、個人間でのやり取りであり、本件に関しまして、アサヒステレオセンターへの問い合わせはご遠慮頂けますようお願いいたします。

ツイッターでもつぶやいております。
アカウントをお持ちの方はID hakuhatuken もフォローよろしくお願いします。
posted by 白髪犬(はくはつけん) at 14:34| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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